投稿日:2022年2月1日
更新日:2022年5月10日
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https://www.i-learning.jp/topics/column/useful/digitaltransformation.htmlDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が各種メディアで取り上げられることが増えてきました。もちろん、介護業界においてもDXの波は押し寄せています。本記事では特に重要視されるX(トランスフォーメーション:変革)を交えてDXついてお届けいたします。
DXって何?
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation, DX)とは2004年にウメオ大学(スウェーデン)のストルターマン教授が提唱した考え方で、広義は「デジタル技術を浸透させることで人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことを意味し、ITテクノロジーやICTを活用することで社会全体により良い変化をもたらすという概念です。
ビジネスの世界におけるビジネスモデルの変革が求められるようになり、経済産業省はデジタルトランスフォーメーションの定義を「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としています。
そのため、介護業界にもデジタルトランスフォーメーションが求められているのです。
X(トランスフォーメーション)が大事!
当社も含めたIT企業は「ここぞ」とばかりに、DXにおける「デジタル」を強調し『デジタル化は最優先で』とか、『ICT化を進めましょう』といった提案をすることが増えています。でもちょっと待ってください。
トランスフォーメーションの部分「顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」が欠けていたのでは、せっかくのデジタル化は無駄な投資となることが予想されます。実際にデジタル化したが、組織・職員の意識変革をしないままで、水泡に帰してしまった施設も多くあります。
DX推進と言う前に、組織としての覚悟(心意気)を固めるにあたり、「組織変革を進める」といったDXを始める前の「助走」準備をすることが肝要ではないかと思います。
既存の業務体制を抜本的に改革し、業務の効率化から生産性の向上、職員の負担軽減に繋げること、さらに昨今では新型コロナウイルス感染症の影響も大きく、濃厚接触防止の一つの手立てとしてテレワークの推進などICTを活用した業務改善などが図るようにすることが大切です。
(出典:デジタルトランスフォーメーションの実際)
D(デジタル)化はやっぱり必要?
意識改革・組織変革が大事と説明してきましたが、DXを成功に導くためには下記のステップを踏むことです。
①デジタイゼーション(Digitization)
業務全体の流れからアナログなものでデジタル化できるものを積極的にデジタル化していくことです。
介護業界にはデジタル化を図ることができるアナログ業務が多く見受けられます。
プロセスは変化させることなく、アナログデータをデジタルデータに変換することといえます。
具体的には、以下のものがあげられます。
- 介護記録を紙から記録ソフトへ
- 情報共有をインカムで
- 紙の伝票でやり取りしていた経費精算をシステム化
- 出退勤打刻をクラウド型タイムカードへ
これらのアナログで行ってきた作業をデジタル化するだけでも、バックオフィスやルーティンワークの大部分をデジタル化し、大幅に効率化するといったことも可能です。
②デジタライゼーション(Digitalization)
デジタルツールを用いて業務フロー全体を最適化し、自組織の生産性を高めるノウハウが蓄積できる状態です。
既存業務がデジタル化されるだけでは単に「便利になった」で終わってしまいます。デジタライゼーションでは、デジタル化されたシステムを活用し業務をさらに効率化させる、または介護の質を高めることが求められます。
具体的には、以下のものがあげられます。
- ICT見守りカメラ、ベッドセンサーを利用し夜間見守り業務を楽にする
- ICTで空いた時間を活用した分利用者へ質の高いケアを提供する
- 睡眠状態の情報を蓄積し入居者へのアセスメントに活かす
- 職員の負担軽減とともに入居者にも有益となるデジタル化を通じ業務を変革していくこと
既存のアナログ業務をデジタル化された業務に統合させるため、施設の全職員で検討をしていく必要があるでしょう。
③デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)
2つのステップを踏むことができたら、デジタルトランスフォーメーション成功が見えてきます。デジタイズ、デジタライズを自事業所にしっかりと定着させることが重要になります。それを通して組織全体の効率化や質の向上に努め、利用者に信頼され選ばれる、満足度の高い事業所になることや、地域から信頼される施設として価値を高めていくことでデジタルトランスフォーメーションが成功したといえます。
デジタルトランスフォーメーションを成功させることは、入居者(及び家族)、介護職員、事業所の三者に多大なメリットをもたらします。
入居者はデジタル化された質の高いケアを受けることができる、効率化された業務でさらに直接的ケアを受ける機会が増える、ケアの情報がデジタルで管理、分析されることで最適なケアが受けやすくなるなど健康的な生活を送ることができます。
介護職員は介護記録や見守り業務、連携など多くの時間を取られていた業務がデジタル化により大幅に効率化され、入居者への質の高いケアの提供が可能になることで仕事のやりがいを感じやすくなる。
事業所にとっても、介護職員の離職率の低下が期待できるなど職員自身の仕事に自信を持ちやすくなることが期待できます。
また事業所は入居者、介護職員双方の満足度を高めることができ、利用する側にも働いてもらう側にも選ばれやすい事業所になることができます。
満足度の高い介護事業所は地域住民、行政にも信頼される事業所になり、価値を大いに高めることになるでしょう。
(NDソフトウェア社 介護現場に求められる『デジタルトランスフォーメーション』とは より)
まとめ
いかがでしょうか。本記事では、介護業界におけるDXへの取り組みや効果についてご紹介しました。DXについては多くの書籍・セミナーでも詳しい情報を得られます。
以下参考になりましたら幸いです。
経済産業省
デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン
(DX 推進ガイドライン)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx_guideline.pdf
NDソフトウェア社
介護現場に求められる『デジタルトランスフォーメーション』とは
https://www.ndsoft.jp/column/101297
株式会社アイ・ラーニング
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXの定義と課題を解説
https://www.i-learning.jp/topics/column/useful/digitaltransformation.html
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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